-1歳からの歯医者さん
【マイナス1歳からの虫歯予防】妊娠前・妊娠中から歯医者さんに通うべき理由
おはYoございます。新田歯科医院の副院長の新田です。
皆さんは「マイナス1歳からの予防歯科」という言葉を聞いたことがありますか?
「マイナス1歳」とは、赤ちゃんが生まれる前、つまりお母さんのお腹の中にいる状態の時期を指します。
「マイナス1歳」から赤ちゃんの歯を守るためのケアを始めることが非常に重要だと言われています。
おいおい、新田よ。ついにご乱心か。お腹の中のベイビーの歯をどうやって磨くんだい?
そんな声が、聞こえます。聞こえてます。しっかり聞こえてますよ。
まあ、落ち着いてください。続けます。
「まだ歯も生えていないのに、どうして歯のケアが必要なの?」と疑問に思われるかもしれません。
結論から言うと、直接的にではなく、間接的にです。
分かりにくいですね。
もっと分かりやすく言います。
妊娠前・妊娠中のお母さんのお口および全身の健康状態に、赤ちゃんのお口の健康は左右されるわけです。
今回は、なぜ妊娠前、そして妊娠中からお母さんが歯医者さんに通うことがそれほどまでに大切なのか、その理由を詳しくお話ししたいと思います。これから妊娠を考えている方、そして現在妊娠中の方は、ぜひ最後までお読みください。
1. 「産前」と「産後」
まず「産前」。
「産前」は当たり前ですが、赤ん坊に直接触れることはできません。(だって産まれてないもん。)
しかし、本当の予防はここから始まっています。
みなさん「早産」という言葉は聞かれたことがあると思います。
この「早産」、状況によっては赤ちゃんのお口の発達、全身の健康にかなり影響します。
※すでに早産で生まれた赤ちゃんが手遅れとか、不可抗力による早産の予防の話しではありませんのでご承知願います。
さて何故「早産」になるとお口の発育、全身の健康に影響するのか。
妊娠中はホルモンバランスの変化で歯ぐきが腫れやすく、歯周病になりやすい時期です。
実はこの「歯周病」、お腹の赤ちゃんに大きな影響を与えることが分かっています。
歯周病菌によってお口の中で炎症が起きると、血液中に特定の「炎症性物質(プロスタグランジンなど)」がたくさん作られます。
実はこの物質、本来いよいよお産が近づいた時に「子宮をギュッと収縮させて、子宮口を開く(陣痛を起こす)」働きをする成分と同じなのです。
そのため、歯周病を放っておくと、まだ赤ちゃんが育ちきっていない早い時期にこの物質が全身を巡ってしまい、予定より早く子宮が収縮し、「早産」や「小さく生まれる(低出生体重児)」リスクをぐんと引き上げてしまいます。

小さく生まれると、どうなるの?
もし、赤ちゃんが予定より早く、とても小さく未熟な状態で生まれた場合、どうなるでしょうか。
赤ちゃんは安全のために「新生児室(NICUなど)」に入り、保育器の中で過ごすことになります。
すると、本来なら生まれてすぐに行う「ママの胸に抱かれて、直接母乳を飲む」という貴重な機会が失われてしまうのです。
実は、生まれてから72時間以内の母乳育児には、栄養を摂る以外にも、とても大切な2つの役割があります。
※ここめっちゃ大事!
1. 人生最初の「お口の筋トレ」 おっぱいを一生懸命に吸う動作は、赤ちゃんにとって初めての「お口の筋肉トレーニング」です。この最初のアゴや舌の使い方が、将来の正しい歯並びや、上手に食べ物を食べる力の基礎(口腔機能の発達)を作ります。
2. アレルギーから体を守る「免疫のバトンタッチ」 生まれてすぐの母乳(初乳)には、ママからの免疫がたくさん詰まっています。これを直接飲めないことで、将来、花粉症や食物アレルギーといった様々なアレルギー体質になるリスクが上がってしまうとも言われています。
ママのお口を綺麗に保ち、赤ちゃんを適正な時期に健康な大きさで産んであげることは、赤ちゃんの「健康なお口を育てる力」と「体を守る力」の素晴らしいスタートダッシュに繋がるのです。

【産後編】赤ちゃんのお口は無菌!虫歯菌はどこから来るの?
無事に赤ちゃんが生まれ、すくすくと育ち、いよいよ離乳食がスタート!
ここで知っておいていただきたいのが、「生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、虫歯菌は一匹もいない」ということです。
では、なぜ子供は虫歯になってしまうのでしょうか?
それは、パパやママ、周りの大人から虫歯菌がうつってしまうからです。
スプーンやお箸の共有、フーフーと冷ましたご飯をあげること、そして愛情たっぷりのキス。
こうした日々のスキンシップの中で、大人のお口の中にいる菌が、赤ちゃんのお口へと引っ越してしまいます。
ここで私は声を大にして言いたいのです。
スプーンやお箸の共有、フーフーと冷ましたご飯をあげること、そして愛情たっぷりのキスなどのスキンシップは、、、
「絶対にやめないでください」
ここまでベビーたちのお口を健康できれいに育てたり、虫歯にならない話をしてきましたが、、、
まずは「人」を育てる中の「1要素」であることは忘れないでください。
※スキンシップの重要性に関しては、いつかの記事でもう少し深く触れたいと思います。
子供につらい思いをさせたくない気持ちはとても理解できます。
しかし、スキンシップを避けることは、人間の発育上デメリットが大きく現実的ではありませんし、愛情表現としてとても大切なことです。
だからこそ重要なのは、「うつしてしまう大人側のお口の中を、清潔にしておくこと」なのです。
パパやママのお口の中に虫歯菌がたくさんいる状態で赤ちゃんに接すると、大量の菌が赤ちゃんのお口に流れ込み、小さいうちからたくさんの虫歯に苦しむことになってしまいます。
逆に言えば、パパとママがしっかり歯医者さんでケアをして、お口の中の菌を減らしておけば、赤ちゃんへの感染リスクは大きく下げることができます。

最後に:歯医者さんは「家族の未来を守る場所」
「マイナス1歳からの歯医者さん」とは、ママとパパ自身がしっかりお口のケアをすることで、お腹の赤ちゃんを守り、生まれてからの健康な発育をプレゼントしてあげるための取り組みです。
歯医者さんは、「歯が痛くなってから行く場所」ではなく、「赤ちゃんの未来の健康と笑顔を守るために行く場所」です。
つわりなどで体調が優れない時は無理をする必要はありません。
無理は続きません。気合じゃどうにもなりません。人間そんな強くありません。
習慣で一緒に乗り切りましょう。
ぜひパパと一緒に、ご家族みんなで「マイナス1歳」からの歯科検診にいらしてくださいね。
私たちが、ご家族の笑顔とお口の健康を全力でサポートいたします!